導入か否か、ソニーα9Ⅲを冷静に考えてみる 。  

 本日は大幅な性能アップで登場した、ソニーのミラーレスカメラα9Ⅲについて語りたいと思います。長文の戯言なので興味の無い方はスルーして下さいね。

 

 ついに発表となったα9Ⅲ。ソニー派は歓喜に湧いている。これに釣られマウント替えする方もいるかも知れない・・・。ボディ形状も若干変わり、使い回しではない新たな形となった。シャッターボタン周りなどは傾斜が付きニコンっぽい雰囲気だ。そしてグローバルシャッター初搭載と言うことも話題となっている。良く分からないがグローバルシャッターってそんなに凄い物なのか。被写体の歪みが出ないなどは理解しているのだが、元々α1やα9等の最上位機種のシャッターについては、歪みに関しては現シャッターでも全く気にしていなかったので(C/N社も最上位機種辺りに限っては同じ)、今回初のグローバルシャッターが搭載されての登場だが、自分的にはあまり飛び付くようなものでもない感じもするし、これを搭載したお陰で一部性能の低下及び更に更に高価格となってしまったなど、歓迎出来ない部分もある。他の新機能として非常に優れたAIオートフォーカス、秒間120コマ(ミサゴにカワセミコアジサシ、などの高速飛び込みなどの瞬間の取れ高は爆上がりするだろう)、そしてプリキャプチャーモードにハイスピードなフラッシュシンクロ等々など、この辺りでも十分過ぎる新機能で更なる高みへと高性能化した訳だが、実は今ソニーに投げ掛けている質問が自分にとっては最重要な点なのだが、それが高感度耐性。当ブログをご覧の方々は祖新六四が常日頃理想のカメラを語っているのをご存知かとは思うのだが、今回のあっと言わせたモンスターマシンのα9Ⅲだが、決してモンスターではなくそこが一番ダメで正直「な~んだ」と言った心境になってしまっているのだ。発表時点と発売時点との2カ月半の間に、不評な部分に改良を加える事は往々にしてある。せめて常用ISO感度の上限が52600据え置き以上にはならないものか・・・。グローバルシャッターを搭載したがための弊害が、自分的に一番重要視していた部分の性能が更に犠牲にされていて、現α9Ⅱの半分の常用ISO感度に引き下げられたのでは全く話にならないし実にがっかりしている。矢張りα1Ⅱ待ちとなるのか・・・な?

 ソニー機使いのプロはユーチューブ上で、高感度耐性が弱い部分は認めているが、これを踏まえてもその他の性能が有り余る程の高性能化で高感度耐性には目を瞑ってもこれは凄いとの評判で、称賛ばかりの声なのだが・・・それはちょっとねぇ、そのコメントには少しばかり反感を感じた。そしてその部分については編集でノイズを消せば何とかなるとも言っているのだから・・・。撮った画像をパソコンに落とした時点で(撮って直ぐにモニターで画像確認した時も)ノイズ爆乗りでは興醒めだ。試し撮りのISO4000の画像を見ると、ノイズは非常に目立ち始め、更に上げると細かな部分は甘く潰れかけているかのように見え始める。たかがISO4000であのノイズ感は・・・。常用ISO上限が25600の低画素モデル故に画質の潰れも速いようだ。それをソフトでノイズ処理しても潰れはもう救えないのだし、となると低画素の上に高画素機同様にノイズ感のあるカメラと言うことが事実として浮き彫りになった。購入意欲がその一点の理由により無くなってしまう程だ。満を侍して発表となり大騒ぎされているα9Ⅲだが、冷静に考えてみると直ぐに飛び付けるカメラではないと考えは変わりつつある。但し陽光降り注ぐ好条件下では、威力を如何なく発揮するだろう。現α1との両刀使いも無くはないのだが・・。自分にはあっても無くても良いグローバルシャッターを搭載し、それだけでも軽く20万円以上はコストアップしているだろうし、そして自分にとっての最重要課題の高感度耐性が犠牲になっているカメラだとの結論に至った。高画素機なら話は分かるが、2400万画素の低画素モデルでこれはどうなのだろうか・・・。

 シャッターに関しては今までのローリングシャッターで十分だった。ここで参考のために・・・各社の最上位機種辺りのカメラでは電子シャッターでの被写体の歪みは気にならないが、中、下位機種では高速移動の被写体が歪んだり伸びたりする現象が起こると聞く。グローバルシャッターはその歪みが出ないものだが、現使用機は最上位機種のα1なので歪みは全くと言ってよい程に感じた事はない。そんな訳でグローバルシャッターは自分的には全く不要であり、これによる高感度耐性の犠牲の方が遥かに残念でならないのだ。

 画素数据え置きの2400万画素、グローバルシャッターを搭載するにはこれが限界だったのかも知れない・・・せめて3000万画素、3300万画素、そして高感度耐性の犠牲は無しにして欲しかった。自分は2400万画素であればISO感度は上限102400が理想でありそうあって欲しかったのだが、現実はその4分の1の高感度耐性しかないカメラとなってしまった。話にならない・・・。そんな所はC社のR3を見習って欲しい。その他の機能が勝っていてもソコが段違いに劣っていたら夢も冷めてしまう。

 グローバルシャッターを今一番乗りで出す必要性が本当にあったのか。もっと画素が上げられる技術が伴った時とか、高感度耐性も上げられる技術が整った時に搭載すれば良かったのに・・・。商売的戦略上今が必要だったのかも知れない。シャッターは今まで通りでも、画素数を現行よりも増して上限ISO感度を102400にして性能アップした他の機能も合わせて載せ出したなら、何も言わずに即導入と即決していただろう。88万円と高価過ぎる上に高感度耐性の悪さを合わせて冷静に考えると、即座に飛び付けるカメラではないと思うようになって来た。

 因みに今度のα9Ⅲの常用ISO感度だが、初代とα9Ⅱが常用ISO感度100~51200であり、今回のα9Ⅲでは常用ISO感度が250~25600と下は底上げされ上は下がっている。これはどう言う事かと言うと、フルサイズどころかマイクロフォーサーズカメラの2000万画素周辺クラスのカメラの常用ISO感度と同等となる数値と言う事になる。そこが気になるユーザーがどれだけ買い控えに回るだろう。おそらく上限が25600と言う事は、実用出来るのは良く見てもISO6400以下辺りなのではないだろうか・・・う~ん、となってしまう。何だかメーカーって完璧に近い物は作らず、どこかダメな部分を残して次に期待を持たせて次のモデルを買わせると言った商売をしているようにしか見えない。

 ISO4000で撮った画像を見てもノイズ乗りは早そうだし、高画素機と違い細かいディティールが早々に潰れてしまうような印象を受ける画質だ。この高感度耐性でオリンピックの室内競技など大丈夫なのだろうか? ま、編集をすればプロなどは容易く絵を作れるのだろうから心配してもしょうがないのだが・・・。自分的には新機能は称賛に値するが、高感度耐性の部分だけには興醒めした次第。他の性能がピカイチでも、そこがダメでは手を出すのは止めようかなぁ・・・そんな気持ちになってしまうのだ。次期期待のフラッグシップモンスターマシンα1Ⅱを待つ事が得策か・・・? 5000万画素を超えるα1を使うと、低画素機はもう使えない。ただ羨ましいのは低画素機の高感度耐性だ。だからプロ機と言われた一眼レフ機のキャノン1DXⅢやニコンD6は低画素機であり、高感度耐性が非常に優れており室内競技やナイターなどでも高ISOで撮影出来たのだ。それが世界初と言ってミラーレスカメラにグローバルシャッターが積まれて世に出たα9Ⅲが、高感度面はこの有様になってしまったのにはガッカリとしか言えない・・・。他の性能アップは物凄いのに。

 今、時代はミラーレスとなりカメラそのものも変わって来たが、未だに高画素機は高感度耐性に弱い。そこの所を克服してくれるカメラを早く出して欲しいのだ。その他進化し高性能化された性能をそれに抱き合わせれば、理想のカメラに一歩も二歩も近付くのだ。グローバルシャッターが搭載されて喜ぶカメラマンはどんなものを撮るカメラマンなのだろう・・・。要らない人には要らなく最上位機種を使えば歪みは今現在気にする必要もない。今度のα9Ⅲは余程使い手(ジャンル)を選ぶカメラなのかも知れない。自分のような野鳥撮りの方にも重宝しそうだが、自然環境下で撮る野鳥撮りでこうも高感度耐性が弱いのではどうなるのか・・・日中の晴れの日なら十分使えるだろうが、光の乏しい環境下ではノイズ満載のカメラと化すだろう。それも低画素機でありながら・・・だ。そこにしか問題が無いような優れたカメラなのだが、それこそが大問題の目玉だと自分は思っている。α9Ⅲは今となっては低画素機の部類で、本来であれば高感度耐性が非常に優れているのが当然のはずなのだが、α9Ⅲは残念な事に違っていたようだ・・・。他の性能は飛びっきりの高性能なのだが、それ故に非常に残念だと思えてならない。今日のカメラのノイズは付き物だと納得するしかないのか・・・それだけを我慢さえすれば、このα9Ⅲは超高性能の唯一無二の買いのモンスターカメラなのだが・・・非常に悩ませてくれる。α9Ⅲに見切りを付けたような記事内容だが、方や今でも正直魅かれる気持ちの板挟みに心は揺らいでいる・・・。

 2400万画素の低画素機は素の600㎜・1.4テレコン使いの840㎜・2倍テレコン使いの1200㎜の3パターンを武器に撮る事しか出来ない。4500万画素以上の高画素機は素の600㎜・クロップ併用で900㎜・1.4テレコン使いの840㎜・クロップ併用の1260㎜・2倍テレコン使いの1200㎜・クロップ併用の1800㎜の6パターンの焦点距離で撮れるし、そうした使用でも2000万画素の画素数はキープ出来る。そして高画素機では素のままとテレコン使いの時は、高画素を生かし大きくトリミングも出来る。それが高画素機のメリットなのだが、今の技術では高画素機は高感度耐性に弱い。方や低画素機の2400万画素機は高感度耐性にめちゃくちゃ強い(社R3)。しかし今度のα9Ⅲは低画素機にも関わらず高感度耐性が非常に弱いカメラとなっている。他の性能については他社を完全に抜いていると思うのだが・・・高感度耐性を我慢して導入するか、切り捨てるかに未だに迷っている。まだまだコレだのカメラは出てくれない・・・。話題を独占しているα9Ⅲだが、それにイマイチ乗れないでいる祖新六四でありました。ソニーがキャノン並みの高感度耐性に強いセンサーを作れないはずは無い。作れて商品化すればミラーレスのトップメーカーに君臨出来るはずだ。考えて見て欲しい。キャノンには下位機種にさえ上限ISO感度が102400を達成しているモデルさえあるのだ。ソニーには上限ISO感度が最高で51200のモデルしか存在しない。せめてライバルメーカーと同等位の物は出して欲しいものだ。連写に関してもそうだ。高速連写はフラッグシップ機クラスしかソニーには無い。下位機種にも20コマ秒や30コマ秒の機種設定も欲しい所だ。キャノンの方が余程ユーザーの欲しがる辺りの商品展開をしていると思う。例えばα7RⅤ辺りには20~30コマ秒の連写性能を載せろと言う事だ。秒間10コマでは話にならない。矢張りソニーはカメラ作りの真のプロフェッショナルが居ないなどと言われてしまうのだ。社を見習え!!そしてユーザーの欲しがるところを考えろ、ソニーよ!!

 

 いや~またまた語ってしまったですね~。この記事の内容はあくまで個人的見解であり、無知な祖新六四の戯言なので、間違っている事を言っている場合もありますのでご了承下さい。

 

 ・・・と言った機材話しの独り言でした・・・本日はこれまで。

 

 

                  祖新 六四

                (そにぃ むつし)