カメラの設定話など・・・。

 天気も下り坂の本日は休日と言うこともあり野鳥撮りはお休み。勿論ブログネタも無いので、暇潰しに過去画像数枚アップしてカメラの設定について少し語ってみたいと思います。

 あくまでこれは自分のやり方であり、誰に聞いたでもなく自分の経験上から今の設定となった訳です。皆さんもあれこれ悩んで「これが良いかな?」と探りながら撮られていることでしょう。それとも多機能使いのオート任せ?でしょうか?  自分の場合ですが4年以上前からだったか、一眼レフ機からミラーレス機に機材を総入れ替えした訳ですが、一眼レフ機だった頃にはシャッタースピード優先にISOオートなど色々なモードでやっていたのですが、(その頃は野鳥ばかりが被写体ではなかったが・・・)空抜けの背景が明るい所や逆に暗めな所などと飛翔する野鳥が移動して飛ぶと失敗する確率が多かった。俗に言う黒潰れや白飛びになり、被写体が超アンダーとなってしまったり、逆にボタン登録しておいた露出がオーバーで白飛び気味になったりと失敗が多かった。

 ミラーレス機の利点としては、ファインダーを覗きその見たままの明るさで撮れると言う事に尽きると思う。そこで自分の今の野鳥撮り(飛び物動き物)の設定だが、先ずはマニュアルモードの「M」で撮っている。勿論フォーカスはAF-C。そして現場に着いた時に先ずその日その時のISO感度を探りISOを固定する。何故ISO感度を固定するかと言うと、今日の上級高画素機はシャッタースピードを稼ごうとISO感度を上げると、ノイズ塗れの画像しか撮れないカメラだと言う事が言えるからだ。(後でソフトを使いノイズ処理を前提とした高額カメなんぞ出すな!とメーカーには言いたい本音がある。)よって野鳥撮りにおいてはISOオートにより撮影なんて考えられる事の出来ないカメラのソニーα1を現在使用しているが、このカメラが正直ISO2500辺りから上は使用したくない何とも体たらくなカメラなのだ。その点1DXやD6などの一眼レフ機や、2400万画素辺りのミラーレス機の方が遥かにISO感度を上げられる利点がある。α1の場合だと仮にISOをオートで撮ると、曇天下や夕刻の光量が弱くなるとISO6400や12800、いやそれ以上にもすぐになってしまい暗所ノイズ満載のとても見られない画像となってしまう。話は無駄な方向が長くなったが、撮影現場では先ず①ISO感度を幾つで撮るかを決める。そしてその際に仮にISO800を設定したとしよう。そのISO感度で鳥が飛ぶと予測出来る景色の中の一番明るい所と一番暗い日陰の様な所で、果たしてシャッタースピードがどれだけ稼げるかを見るのです。その際、飛ぶ野鳥を撮るには最低1000分の一秒を稼げるようにしたいので、例えば暗い場所でのシャッタースピードが1000分の一秒以上稼げ、且つ明るい所では8000分の一秒などの高速シャッターが切れる幅広いシャッタースピードが稼げるISO感度を探り、その日その時のISO感度を固定しセットします。次にシャッタースピードを見ます。例えばISO800と決めた時に、先程のシャッタースピードが暗めの場所でも1000分の一秒以上稼げると判断したら、もうISO感度は800で固定しそれで決まりです。撮影現場のその時の状況下でISO800、そうすればターゲットが何処を飛んでもシャッタースピードは1000分の一秒以下にはならない設定が完了です。シャッタースピードの最低が1000分の一秒以上稼げないと判断したら、ISO1600とか2000とか許容出来るISO感度を探り固定する。現場で最初にする事はISOを決める、それが最初です。決め方は先程述べた通りです。そしてこのやり方が通用しなくなったら、それはもう撮っても写真にならない状況下なので撮影は切り上げる、となる訳です。

 これだけでは露出など他の部分はどうなるの?と疑問も湧くでしょう。基本として露出補正はしません。なぜならば明るさの調整は述べた通りの設定で、撮る中でファインダーを覗き撮りながらシャッタースピードを上げ下げするだけのワン操作で明るさが合わせられるからです。撮りながら空抜けや暗めの所を飛んだ時は1、2、3段シャッターダイヤルをカリカリッと回して下げてやれば、覗いて見ている景色は明るくなり(空抜けでは羽根裏の模様も見えるようになる)、逆に太陽光タップリの順光の明るい所に行ったら1、2、3段ダイヤルをカリカリッと回して上げてやればシャッタースピードも上がり見たままの明るさで撮れるのです。ファインダーを覗き野鳥を追いながら人差し指はシャッターボタン、親指は直ぐにシャッタースピードを調節できるダイヤルや親指AF付近に添えておくだけ、何処を飛んでも明るさはシャッタースピードのダイヤルの上げ下げだけで合わせられる。これが今の飛び物を撮る時のミラーレス機の自分なりの設定です。こうしておくと最悪の明るさの所を飛んでも自分の中の最低ISO感度の中で最低限度のシャッタースピードが稼げ、且つ空抜け時も瞬時に明るさを合わせられる。失敗が極力無くなると言うことに繋がるのです。

 要は「シャッタースピードに幅を持たせられる自分なりの最低限のISO感度」を最初に設定し固定セットする。これだけに尽きるのです。色々と悩んでいる方もおられるかと思いますが、一度このやり方で「M」マニュアルモードを使ってみて下さい。マニュアルモードの方が返って簡単で失敗の少ない撮り方に繋がると自分は思うのです。

 それとフォーカスエリアですが、これは空抜けや水背景や被写体と背景の距離が遠い場合はゾーンと言った比較的広いオートフォーカスエリアでの対応で十分なのだが、被写体が背景に近い場合や木々などごちゃ付いた背景に近い場所を飛ぶ被写体を狙う場合は、中央固定(中央部重点)の比較的狭いエリアで、被写体を中央に捉え続け追い掛けて撮っている。なるべく背景にピントが抜けない撮り方(モード)を心掛けている。トラッキング機能もあるが、意図しない所に喰い付いては困るので信用せず使っていない。あくまで中央で追い切る事に集中する事に重点を置いている。

  

 単純背景なら広いエリアモードでカワセミだろうがシギやセキレイやツバメだろうが、高速で縦横無尽に飛ぶ鳥も簡単に撮れる。高速で咄嗟に出てファインダーに入れられない場合は照準器撮りが成果を発揮する。通常撮れないものが撮れるのも照準器撮りだ。現場で遠近中間と誤差を極力小さくして、きっちり合わせセットしておけば鬼に金棒の武器となる。

 縦横無尽に飛翔するツバメも照準器撮りで簡単に撮れる。その上にこうした単純背景なら画面にさえ入れておけばオートフォーカスが捉え追い掛ける・・・。

 

 このヤマセミ画像は某湖でクマタカを狙っていたら突然湖面上を飛んで来たヤマセミのカット。これも咄嗟の出来事だったのだが鳴き声で飛んで来るのが分かり、照準器で捉えてファインダーを覗きシャッターを切った時のモノ。照準器には助けられている。

 

 

 以上色々と語りましたが、これはあくまで祖新六四の考えであり、写真やカメラに精通している方から見れば誤った点があるかも知れませんが。そして写真には野鳥の他様々な被写体があるので、それぞれに設定を変えたり追い詰めて、自分なりにミラーレスカメラに向き合うと言うことが大切なのではないでしょうか。試行錯誤しながらこれぞの一枚を追い求める、これこそが趣味の楽しみでもあるのだから。本日はこれまで。

 

 

                 祖新 六四

              (そにぃ むつし)