伊吹山のイヌワシ遠征・・・三ツ星幼鳥に出会えた。

 遠征したくて天気予報と睨めっこしていたところだが、雨は避けられ数日間撮れそうな日があった上に、前日にHさんから電話が入りゲートで待ち合わせとの打ち合わせに至り、漸く遠征に行く事が出来た。本来日曜日の野鳥撮りはあまり行わないのだが、天気予報の兼ね合いから日曜日からに決定した。

 幼鳥の存在が公になってからは、一時出も良かった日もあったようだが最近は姿が見えなかったりと出が悪いとの話を現地で聞いた。出会えたのはラッキーだったと言える。

 1日、2日と日は経つが出てくれるのは成鳥のみ。もしや落鳥してしまったか?と最悪の事態も頭を過ぎった。これは困ったと言う事で遠征を後2、3日間伸ばそうかとさえ考えたのだが、3日目ついに幼鳥の鳴き声が聞こえ、遠くを親子3羽で飛び元気な姿が確認出来ると、やがてこちらの方にも飛んで来てくれ撮る事が出来た。ただ残念なのは時折青空も出てくれるのだが曇の方が多かった。幼鳥が撮り頃の距離に来てくれた時もやや靄っていたため、クリアな画像が撮れなかったのが悔やまれる。そして風が余りなかったので飛ぶ回数も少なかったのかも知れない。折角の幼鳥誕生の年なので、伊吹山ドライブウェイがクローズになるまでの10月11月とあと2回は快晴の日を狙って行ってみようかと思っている。

 

 取り急ぎ先ずは三ツ星幼鳥画像と成鳥画像を暇潰しにご覧下さい・・・。

   ソニーα1+FE600mmGM+1.4テレコンの840㎜&クロップモードの1260mm撮り。

 やや見下ろす程良いコース取りで西方向からやって来た・・・。

 幼鳥が口を開けている時は「キャンキャン」と犬のような鳴き声を上げて飛翔している。一つの説には犬のような鳴き声だから「犬鷲」と言われる説がある。

 もう一説には天狗の神隠しの「天狗」の「狗」を使い「狗鷲」とする説。自分はこの説を信じる。明治時代に広島県イヌワシが幼児を掴み連れ去った事件が、当時の読売新聞の記事として載っている事実。営巣している巣の中に人骨があった例、それらを考えると、忽然と幼児が連れ去られる天狗の神隠しはイヌワシ「狗鷲」の仕業と考えるのが妥当であろうと自分は思うのだ。

 

 

 イヌと言う言葉は「大きい」を意味する言葉とも言われ大きな鷲だからイヌワシとも言われ、また、「劣る」と言う意味もあるとか聞いた事がある。矢羽根に用いる矢の羽根がイヌワシのそれは鷹の羽根にも劣るとも言われたからとか諸説あるようだ。間違っていましたらアイムソーリー。

 幼鳥も眼光鋭く一人前の顔付きだ・・・「幼鳥だけれどナメんなよ~」と睨まれた。

 

 

 

 

 最近良く止まる道路沿いの擁壁の上の木の天辺に成鳥の雄雌が止まった・・・。

 谷を見下ろす狗鷲の番・・・。谷底の獲物も難無く見付けるだろう。

 

 2羽が揃う前の1羽止まりの時に木の根元に鹿が現れた・・・イヌワシが背中に乗ってしまえば面白かったのに・・・笑。本当にイヌワシが空腹になれば成獣でも襲うだろう。

 

 一羽が飛びやがてもう一羽も飛び出した・・・。

 しかし空が白いとどれも冴えない・・・。

 

 谷で獲物を探すイヌワシ・・・。

 

 上の画像は一点を見つめながら旋回飛翔していたイヌワシ・・・多分獲物が目に入ったのだろう・・・そして次の画像へ・・・。

 

 急反転して森へ突っ込んで行った・・・。

 結構近い飛翔もあったが変わり映えしないただの飛翔姿・・・。

 

 頭の上の至近もあったがこれは撮れないしフレームオーバー・・・撮れたのは後ろ姿になってから・・・流石にイヌワシ様は大きい。

 

 夕方は下ポイントのここら辺りが良い・・・毎日のように岩止まりする。近いように見えても結構距離があるが・・・。解像を保ち撮影するには条件がある。ま、それは伊吹山全般に言えるのだが・・・。風を読みその日のポイントを選ぶのも伊吹山。当たり外れの少ないのは矢張り上部ポイントかなぁ・・・。

 

 

 猛禽撮りの魅力はいつ出てくれるのかを待つ期待感とワクワク感に魅力がある。これは何度味わっても良いものだ。そして今回も居合わせた皆さんと共有できる話題で楽しい時間も過ごせた。地元や関西方面の方々も色々と良くしてくれるし教えてくれる。今回も顔見知りの方々と久し振りにお会い出来て、色々と話も聞かせて頂き有意義な遠征が出来ましたことに感謝です。また来月もお邪魔しますので宜しくお願いいたします。と言うことで本日はこれまで。

 

 

               祖新 六四

             (そにぃ むつし)