イヌワシ・狗鷲・犬鷲・について・・・

 イヌワシ・・・日本では亜種イヌワシ留鳥として周年生息している。

体高:75cm~95cm  翼開張:168cm~220cm。体色は全体的に暗褐色や黒褐色で、後頭部は光沢のある黄色(明るい茶色)で、ゴールデンイーグルの名の由来となっている。

 

f:id:tenmokusan555:20210504135931j:plain

 日本では1990年代頃から繁殖の成功率が下がり個体数が減っており、現在では日本全国で500羽にも満たないのではないかと言われている。

 林業や畜産業の衰退により、植林された森林が伐採もされずそのままとなり、開けた土地でなくては狩りが出来ないイヌワシにとっては、生きていく環境を脅かされて来てしまった訳だ。これによって繁殖率も低下し、イヌワシそのものが生息する環境が、人の手によって失われつつあるのが現状となってしまった。ご存じ赤谷の森では、イヌワシの住む環境を保護するべくプロジェクトが立ち上がり、森林を伐採したところその開けた土地でイヌワシが狩りをするようになり、結果繁殖にも成功している。

 表立っては立派なプロジェクトだが、中にはそれに関係しているであろう者が「おめぇら写真撮りはここから先には行かせねぇからな」と言葉を言い放った輩もいると聞く。写真撮りはイヌワシの営巣地を脅かすために行くのではない。イヌワシが住んでいる山ならば、ひょっとして飛んでいる姿が見られるかな?それを撮ってみたいな、と思い行くのだ。勿論、カメラマンの中には挨拶も出来ない、営巣地付近までズカズカと入り込み自画自賛?の一枚をモノにしたくて行く馬鹿者もいる。その上にゴミは散らかすと言った大馬鹿者もいるのだが、カメラマン全てを悪のようには思わないで欲しいものだ。

 

f:id:tenmokusan555:20210504140023j:plain

   イヌワシ・・・天狗伝説から来る狗鷲説、幼鳥の鳴き声が犬の鳴き声の様だから説、矢羽根に使うにもクマタカや他の鷲鷹類よりも劣る説、イヌワシのイヌは犬にも劣ると言う説等々様々な説がある。

 

f:id:tenmokusan555:20210504140034j:plain

 自分が思うにイヌワシの名前の由来で、一番有力な説は「狗鷲」と書く天狗伝説が有力なのではないかと思っている。これは個人的に思う事であるがどうしてかと言うと、明治9年だったか(記憶が曖昧で間違っていたらお許しを)の読売新聞に実際の記事として掲載された、「広島のイヌワシ事件」。これはとある村で犬が連続して7頭イヌワシに襲われ、やがて子供まで狙われるようになる事件があり、村人総出でどんな方法で捕まえたかは分からないがイヌワシを捕まえてみたら、今のイヌワシよりも大きなそれは大きなイヌワシだったそうだ。昔の山村で乳飲み子を籠に入れて、親は畑や田んぼで農作業。イヌワシが籠の中の赤ん坊を音も無くさらっていってしまうのは簡単な事。その上、イヌワシに関する文献には、過去にイヌワシの営巣する巣の中に人骨があった例も実際にあったと聞く。あの立派な嘴は天狗様の鼻、大きな羽根は大団扇、そんな図式も想像できる。

 

f:id:tenmokusan555:20210504140046j:plain

 

 イヌワシの握力は100kgあると聞く。それ故に子供位なら掴んで飛んで行ってしまうだろう。小鹿でさえ掴んで飛んでしまうのだから・・・。

 

 

 イヌワシについて、思ったことを暇潰しに書いてみました。画像は在庫画像です。

ソニーα9+FE400mmF2.8+1.4TC & α9+FE600mm+2TC 撮り。トリミングあり。

 

 

                 祖新 六四

               (そにぃ むつし)