イヌワシのこと・・・野鳥写真撮りのこと

 暑さが続きますね。今日はその後のコウノトリはどうなったかな?と渡良瀬遊水池へと出かけてみた。親子揃ってあちこちで餌を啄んだり、水浴びをしたりしているようで、その姿は見られませんでした。見知らぬ方と立ち話、聞けばこの辺りにのとある場所に田んぼを持つ人が、自分の田んぼで餌をやり居着かせているとの話を聞いた。その場所は当然語られない・・・。しかしまぁ、自然の営みの中で生きているコウノトリに餌付けをして、マイ田んぼに呼び寄せているとは・・・。聞いた話なので裏付けは取っていませんが、事実なら困った行為だ。数日前から見えないコウノトリはどうやらそこへ行っているのだろうと・・・・。

 

 閑話休題・・・イヌワシ記事もアップしている当ブログですが、たまたま記事を見た方のためにそもそもイヌワシとは、と言うことでイヌワシの事を少し語りたいと思います。

 

 本日アップした画像は、以前記事中でアップした画像と被ってしまいますのでご了承下さい。6月17日15時45分伊吹山にて撮影。撮影機材:カメラ、ソニーα7RⅣ。レンズ、FE600mm F4 GM OSS 。クロップしての撮影なので1.5倍の900mm F4開放で撮影。露出補正0EV、マルチ測光、ホワイトバランスオート、ISO 640、シャッターSS 2500分の1秒、 

 

 

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 イヌワシ(狗鷲・犬鷲とも書く)。漢字の前者は伝説の天狗様は実はイヌワシだったのでは・・・からこう書かれたのでしょう。後者は幼鳥が鳴く時に犬の様に鳴き声が聞こえるから犬と言う字が使われたのでしょう。自分は前者の狗鷲の説が有力と思います。それは何故か?・・・。山間にある山岳信仰のある神社に天狗を祀った神社がある。それとは別に昔話の中に赤子や子供が忽然と消える神隠し。これこそがイヌワシの仕業、天狗伝説の有力な説だと思うのです。長閑な山村で赤子を籠に入れ農作業をする親。いつの間にか籠の中の赤子がいなくなる、と言う昔話。そして明治何年だったか読売新聞にも記事となって掲載された、広島県でのイヌワシ事件。村の犬が7頭だったか次々と襲われ、やがて村の子供達にも被害が及びそうになり、村民が一丸となって捕らえたのが超大型のイヌワシだったと言う実際にあった話。そしてその話とは別に、イヌワシの営巣した巣の中に人骨が確認されたと言う事実もあるとされている。これらからみてもイヌワシは天狗様だと言えるのではないでしょうか。だから漢字の「狗」が使われているのでしょう。


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 タカ目タカ科イヌワシ属のイヌワシ。翼幅は1.8m~2.3m程、体長は66cm~100cm程で体重は3kg~7kg程。黒褐色を帯びた色で、メスの方が大型のようだ。

握力100kgとあれば、小鹿も掴んで飛ぶのも頷けますね。天狗の神隠しも簡単なはず。


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 北半球の山岳地帯や開けた草原地帯に生息するイヌワシ。日本では北海道から九州までの山岳地帯に生息。


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 イヌワシは危機的状況下に置かれており、全国でも500羽程しかいないとされている。寿命は野性下で10年~30年程、動物園など飼育下では40年以上も生きることもあるようです。折角自然下で繁殖し巣立った幼鳥が、親に追い出され一人で生きるようになり若くして命を落とす確率も高いと聞く。


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 NHKでも取り上げられた某所のプロジェクト。森林を伐採しイヌワシが狩りを出来るような状況を作り、イヌワシが狩りをするようになり繁殖にも成功したとかの話も聞く。しかし知り合いの友達がイヌワシを一目見て写真を撮りたいと、(我々写真撮影をする者は営巣場所を探し出し近くで撮るために行くのではない。)その地に行き山間を行くと、とある人物から「てめえら写真撮りはここら先には行かせねぇからな」と言われたそうだ。プロジェクトの意味合いは我々写真撮りにも良く分かっている。そのチンピラ口調の輩が、そのプロジェクトの中にいると言うこと自体、非常に腹の立つことだ。何もイヌワシを脅かしに行くのではない。イヌワシはこの辺りを飛ぶのかな?飛んでたら写真に収めたいな、と行くのだ。

 ただ、野鳥撮りの中にも動物を投げ込み、餌付けのやらせ撮影をする者もいるし、貴重な野鳥の営巣場所を突き止め挙句はその近くまで行き、自慢の一枚をモノにしたくて行く輩もいる。この行為は一部の我々野鳥撮り人の反省する点でもある。

 イヌワシの天敵は・・・山岳の王者イヌワシ・森林の王者クマタカ、その両者が挙げられるが、お互いに相手の強さを知っているので、遭遇しても無暗には争いにはならないようだが、森の中に隠れるのはクマタカであり両者強いが、本当に戦ったらイヌワシが勝つような気がする。とは言えイヌワシの天敵は自然を侵す人間に他ならない、と言うのが本当のところでしょう。

 

 それと最後に野鳥撮り趣味の一人として言いたいことがある。同じフィールドで顔を合わせ一喜一憂しながら自己満足の一枚をモノにしたくて、遠路遥々我々は撮影に行くのだ。4月の遠征だったか6月の遠征だったかは忘れたが、ゲート待ちの私の後に地元ナンバーの方の車が止まった。見た事あるような方で、名前を知っている関東の方の話もしていたので、イヌワシ撮りの方には間違いない。遠征させてもらっているので挨拶をと車を降り、すぐ傍まで行き「おはようございますと」言うと、完全に無視。車と顔は覚えた。多分昨年遠征時にも見たことのある地元の人間だ。同じ趣味を持つ人が聞こえないどころではない至近で挨拶しているのに無視とはねぇ・・・ま、こんな輩が獣を投げ込み撮っている、と風の便りに聞いたこともある。

 

 愚痴が出てしまいましたが、例え同じ趣味家でも常識知らずのとんでもない馬鹿者はいるものですね。腹を立てるだけ損と言うもの。次回遠征時に見掛けたらこちらから関りをご遠慮しよう。このブログを見てたりして・・・次回遠征時はヨロシクね。壮年達のお前だよ!!、笑。

 

 

                 祖新 六四

               (そにぃ むつし)