久し振りに晴れた!と思ったら朝と夕方だけ少し・・・猛禽撮りはまだお休み、だからまた違う趣味で暇潰し。

 今日は朝のうち少しだけ晴れ間が見え、そのうち雲が広がりポツリポツリ・・・そして夕方また雲間に青空が見える天気。天気予報は晴れだったのになぁ~、でもクマタカ山は雲や傘マークだったから、結局猛禽撮りは今日もお休みとなった。

 

 

 ところで、この版画は文久3年~大正14年、主に明治から大正期にかけて活躍した浮世絵師であり日本画家であった右田年英の版画。このシリーズは名誉十八番と言う題名で2枚で一つの版画絵となる作品の一つ。明治何年だったかの作品。確か裏に版元と年号があった記憶が・・・。姫柿の盆栽を始めた十数年前にコレクションしたもの。江戸時代の植木鉢(瑠璃釉と染付の盆栽の鉢)が目に入ったので盆栽繋がりで手に入れた。

 

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 版画左の人物は旅の僧(実は北条高時

 

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 右の版画の人物は佐野源左衛門常世と言う貧しい武士。薪が無いため鉢植えの木を切って囲炉裏にくべます。そして、貧しいとは言えど武士、鎌倉に事あらば一番に馳せ参じると、覚悟を語ったのだった。それが「いざ鎌倉」と言う訳ですね。本来であれば刀を振り上げている場面なのでしょうけれど、手にあるものは扇子。

 

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 謡曲にある「鉢の木」の物語・・・鎌倉時代には幕府に一大事の事あらば、諸国の武士達は鎌倉へ招集され、武士は「いざ鎌倉」と馳せ参じなければならなかった。・・・は、いざ鎌倉の語源・・・

 

 

 そんな訳で、古い植木鉢にも興味はあるのだが、江戸時代の版画に描かれたような鉢は、安くなったとは言え20万、30万、50万とそう言ったレベルの値段だ。江戸時代の鉢でなくとも明治期や大正期の物でも、瑠璃釉や染付の尾張焼きや伊万里となると10万円は軽く超えるだろう。明治期以降の染付に使われた釉薬は、江戸期の物とは全く違い、見る人が見れば江戸期に焼かれたものか染付の色で分かるのだ。

 

 そこで先日、まぁまぁ古いと思われる部分的に欠けやニュウ(ひび割れ)の入ったものだが、その造形美と瑠璃色の美しさの水盤(たぶん尾張焼きの水盤)に心が動き、、穴の開いていない水盤なのだが、鉢穴を開けて植木鉢に改造してやろうと、ポチッ!としてしまった。それが下の水盤・・・

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 全体が竹のモチーフで竹と雀の陽刻紋、瑠璃色の釉薬に白が美しい。たぶん時代ある尾張焼きだろう。

 

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 直ぐに割れるようなヒビではないとの事で、金継ぎは勿体ないのでエボキシ剤で補強した後に、穴あけ作業を行ってみよう。

 

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 使う工具はコレ・・・先にはダイヤモンド粒子が付いている、陶磁器専用の穴開け器具を付けて。以前に陶磁器に鉢穴を開けるのは経験済み。しかし陶磁器に穴を開けるのは大変な作業。中々開かなく手強いものなのだ。

 

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 この盤底中央に直径3センチ弱程の穴を開ける・・・

 

 

 瑠璃釉の改造鉢に趣味の姫柿を植え込み、今年か来年には植え込んだ姿が見られるかな?・・・きっと鉢映りは良いだろう。

 

 さて、太鼓判を押す程の天気予報で晴れはいつ来るのだろう・・・早くクマタカに会いに行きたい。

 

 

                  祖新 六四

                (そにぃ むつし)