菰山焼のお宝茶碗

 猛禽類も好きだけれど、祖新六四は古い物も好きで収集している。その中でもこれはと思い入れのある物がこの菰山焼きの茶碗だ。弘化年間1844~48年頃、三重県菰野村(現、菰野町)に開かれた窯で、初代土井市藏こと穆々斎が時の城主土方山城守だったか?(間違っていた失礼)に菰山焼きの銘を賜り開窯されたのが始まり。しかし短期間で廃窯となったのが菰山焼きだ。

 とある北陸地方の骨董商から手に入れたものだが、飛騨地方の旧家から出た物で、初めて扱った品との事だった。興味が湧きネットで調べるもマイナーな焼き物だけに、中々参考になるような記事もなく、何方かがブログで上げていた本物なのか、菰山の文字の落款が入る、明治期のものらしいとの茶碗は画像で見たことはある。歴史的な僅かな文献と明治期の物らしき物しか情報が得られず、初代作の菰山焼きは現地で見られるのか等、情報を集めるべく自分で菰野町の役所に電話をしてみたのだ。

 画像と同じ写真も送り色々と対応して頂き、菰野町史にある菰山焼きの資料も送って頂き、その節は大変お世話になりました。菰野町の役所の方によると、本家本元の菰野町の地にも、寄贈された菓子鉢と徳利の2点が町立図書館に、また同町にあるパラタミュージアム(博物館)に2点、いずれも明治期になってからの物だそうで、僅か4点しか現存するものが無く、初代穆々斎作の作品は見たこともないとの事だった。

 はたして現存する初代の作品は日本にあるのだろうか?そんな疑問さえ湧いてくるのだ。現存する物が無いと言うことは、日本屈指の焼き物鑑定家、中島先生ですら初代作は見た事もないことになるでしょう。となると鑑定って出来るのかな??。となってしまうのだ。これはどうしたものか・・・やっぱり何でも鑑定団には一応応募しておこうか。夢は膨らむばかりなのだが、骨董の価値は需要に大きく関係してくる。有名作家に物故作家、そして安土桃山時代等、そうした人気の焼き物でもない、例え現存数がほんの僅かでも知らない人の方が多い焼き物には希少価値は付くのだろうか?。

 思うに・・・特定の焼き物収集家ではなく、日本全国にある(あった)焼き物の収集家には、きっと垂涎の逸品だと思うのだ。もしも日本に一つの初代の物だとしたら・・・。どなたか初代穆々斎の作をお持ちの方、現存する場所をお知りの方、信頼の出来る日本有数の焼き物鑑定士をご存じの方、この記事をご覧でしたら是非情報を下さいますようお願い致します。

 

 

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保管箱も時代を感じる・・・紐も解れぎみ。


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 茶溜まり・・・


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 高台周り・・・土の味にしても時代はあるでしょう。


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 菰山焼き初代、土井市藏の号「穆々斎」の落款 (手掻き銘?)


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 茶碗周りには詠が・・・


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 金継ぎ直しが2ヶ所・・・日常の茶器を高価な金継ぎで直す意味とは・・・期待を持ちますよね~。

まさか時の領主に献上された茶碗??とか期待が・・・←妄想です。


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 互いの松葉が・・・二枚葉の松の葉は落ちても離れないことから、あの世までも一緒にと言う永遠の愛、結びつきを意味する。

 そうか!!、書かれている詠の一部に「妻」と読める文字が・・・


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 詠の意味も分からない・・・読めない・・・どなたか読んでくれないかなぁ?・・・笑

 

 知名度の低い焼き物かも知れないが、初代作の現存数が日本に1個だとしたら・・・うふふふぅ~。イチジュウヒャク・・・じゃんじゃん。さて宝くじも発売となった。宝くじでも買いに行こう。

 

                祖新 六四

                                                    (そにぃ むつし)