お宝部屋の大掃除&日本刀とお宝と

 野鳥撮りに行こうかと思っていたのだが朝寝坊・・・一振り目の日本刀の拵えも出来上がったので、久し振りに隠しお宝部屋(ガラクタ部屋とも言われる)の大掃除をした。

 

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 この中には本物のお宝が確実にあります・・・と、思うのだ・・・が。


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 鹿の刀掛け上段の打刀拵えが出来上がり飾ってみた。直宗が収まる漆塗りの朱鞘に江戸時代の金具を使い肥後造りに仕上げた。鞘だけでも上級カメラが買えてしまう。

 背後右の掛け軸は四方庵宗徧こと山田宗徧の掛け軸、花一文字。宗徧は茶道宗徧流の始祖で、あの赤穂浪士が討ち入りの日を決定した茶会の日を、親交のあった浪士の一人に赤穂の浪士と知りながらも教えたとされる人物。千宗旦吉良上野介茶の湯の師匠であり、宗徧は師である千宗旦千利休の孫)と共に度々吉良邸にお供していた。この花一文字には強さと優しさが感じられる。胸中を思い武士道、茶道、共に道の付くものを志す者の心根を思い遣って、茶会の日にちを教えたのだろう・・・。


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 上段直宗の背後の書は、伊予松山藩12代藩主松平隠岐守定毅(後の松平勝善)公が叔父だったか?の松平修理太夫充てに宛てた書状。一筆啓上仕り候から始まっている、近況報告と御礼ご機嫌伺いのような内容だ。筆書きの書は書き始め濃く、次第に墨は薄くなるお手本通りの本物の書状。

 その上の将軍吉宗公の黒印状はちょっと眉唾物。黒い印鑑は私的な物に押す印だが、この手のものはたまに見かける。和紙は超厚手の良質な物だが・・・だいいち本物の徳川吉宗公の黒印状が手に入る訳はない・・・でしょう・・・でも・・・。映画やドラマの小道具?・・・それにしては素晴らしい出来だ。いつだったか10万円位でヤフオクで落札されていたのを見たことがある。字体や出来もこれと同じ。贋物書きの作か??。


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  上は先日拵え制作依頼をした一刀の、日本美術刀剣保存協会の特別貴重刀剣認定書。平安の頃から江戸後期まで綿々と続いた鍛冶一派で、この打刀は「六十三代孫波平住大和守平朝臣行安」で江戸後期の一派最後の刀工の一振り。薩摩刀であり依頼中の拵えは、薩摩の下級武士の実戦刀の仕様っぽくあつらえて居る。鍔も江戸時代の薩摩鍔、お決まりの2つ穴も開いている鍔を頼んだ。身幅もあり豪壮刀だ。

 

 

 そしてこれ・・・
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  刀掛け下段の拵え・・・日本美術刀剣保存協会の特別貴重小道具に認定されている脇差拵え。


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 装飾部は獅子で統一され金象嵌も施され鞘は青貝塗りの鞘となっている。江戸時代の拵えか・・・。


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 牡丹も獅子とは縁がある・・・


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 脇差の拵えの中に納まる刀は朱塗りの刀の直宗の実父、江戸三作と言われ称された大慶直胤の脇差。切れる刀に砥ぎ直して何かを切ってみるか。刀は鑑賞とするものと実際に切る(居合道)とに分かれるが、前者は切れ具合は良くない(波紋など美術的鑑賞)。後者はゴザ巻きなどを居合で実際に切る訳だが、美術的鑑賞の前者のような仕上げの砥ぎはしないと聞く。要は美術的鑑賞をする刀と、切る刀の砥ぎ方は違うと言うことだ。

 

 

 さて、猛禽撮りの祖新六四のブログネタが無くなるとこんなネタになってしまいますがご了承を。ブログネタ探しに真冬の猛禽撮りにも出掛けてみよう。本日はこれまで。

         今回アップの画像は画質を落としての投稿です。

 

 

                 祖新 六四

               (そにぃ むつし)